理事長のご挨拶

平成２７年は、戦後70年と言うことで内外で様々なイベントが催されております。終戦の70年前は明治ヒトケタになります。この戦前70年の歴史を振り返りますと、戦後70年に享受してきた平和が如何に貴重であるかに気が付きます。

国家間の争いには様々な理由が有ありますが、食糧やエネルギーの争いも大きいのではないかと思います。戦後の食糧やエネルギー問題の解決に大きな役割りを果たして来たのは各分野で発展した技術です。平和は技術が支えると申しあげてよいのではないでしょうか。

「技術士」は、技術界での最高の国家資格です。全国では約８万人が活躍されております。北海道は延４千人程で、多くは官庁や企業で専門家として組織内技術の中枢を担っております。また、弁護士や建築士と同じように技術士事務所を構えて、個人営業をしている方も大勢おります。

技術には様々な分野がありますので、技術士には機械・電気・建設・農業など21の分野に分かれて資格が付与されております。しかし残念なことに、最高の資格であるにも拘わらず技術士そのものが一般市民にはあまり知られておりません。このため、技術士界は、一般社会と一層深く係わって行くことが何より大切と考えます。

古来、技術の本筋はモノづくりと言ってよいと思います。技術士の最大の喜びは、モノづくりを通じて社会のお役に立つことです。多くの技術士は、何か技術上の問題があれば、すぐに飛んで行きたい気持ちを持っております。安全・安心で便利・快適な社会づくりのため、技術士への正しい理解も大いに期待されるところです。

私共は、技術士の有志と関連企業で、それぞれに専門を持つ技術士をネットワークで結び、責任ある窓口を開いて皆様の理解を深め社会への貢献を果たそうと、一般社団法人「技術士リングネット」を設立致し本年で6年目を迎えました。

社会が技術士の持つ専門知識を有効に活用できる場、技術士が能力を存分に発揮して社会に貢献しできる場、技術士やこれを目指す人が相互に切磋琢磨できる場を目指して法人を運営しております。合わせて、自治体や関係業界などからのお声掛かりも期待しております。

皆様とともに、技術立国日本の一翼を担う所存に変わりはありません。私共の思いが少しずつ理解頂いて来ている実感もあります。今後とも変らないご支援・ご協力をお願いいたします。

（平成27年夏）

伊藤　昌勝